多汗症

多汗症とは

本来、体温調節のために汗をかきます。しかし、その範囲を超えて異常に発汗が多い症状のことを多汗症と呼びます。痛みを伴わないため、患者自身、見逃してしまいがちですが、身体機能の失調よるもので、健康保険にも適応される立派な病気です。

多汗症には、全身から発汗する「全身性多汗症」と、手のひらや脇の下など、特定の部分から発汗する「局所性多汗症」があります。局所性多汗症には、発汗する部分により、さらに次の通りに分けられます。
手掌多汗症 (しゅしょうたかんしょう)
手のひらから発汗します。
腋窩多汗症 (えきかたかんしょう)
脇の下から発汗します。
足蹠多汗症 (そくせきたかんしょう)
足の裏から発汗します。

症状

前述の通り、異常に発汗が多くなります。
全身性多汗症は、胸部、腹部、背中、臀部、大腿部など、その名の通り全身にわたり、たくさんの汗をかきます。

局所性多汗症は、頭、顔、手のひら、脇の下、足の裏など、局所的にたくさんの汗をかきます。重度になると、汗によりパソコンが故障したり、触った紙が濡れたり、靴下が濡れたりと、普段の生活に支障をきたします。

原因

多汗症は、神経系疾患で自律神経の失調が原因です。
全身性多汗症は、貧血や更年期障害、バセドウ病でも引き起こします。また、局所性多汗症は、精神に緊張する時に見られることから、交感神経が活発だからと考えられています。しかし、いまだに詳しいことは分かっていません。

治療法

全身性多汗症の治療については、他の病気が原因であることが多いため、その病気を治療することで症状はでなくなります。体質によるものであれば、漢方や日々の食事により改善することもありますが、最近では通院を必要としない治療プログラムもあるようです。

局所性多汗症の治療については、ボトックス注射や手術があります。
ボトックス注射は、注射をした周辺からの発汗を抑えることができます。外科的な治療に抵抗がある方には向いていますが、効果は一時的なもので約6ヶ月程で元に戻ります。また、健康保険の適用外で高額になります。
手術については、活発になった交感神経を取り除くことで、発汗を抑えます。多汗症の完治を期待できる一方で、代償性発汗といい、他の部分からたくさん汗が出る可能性があります。

多汗症は他の病気が根本にあることもあるため、全身性多汗症、局所性多汗症に関係なく、症状が気になる方は一度、医師の診断を受けることをお勧めします。

関連サイト
汗かきさんのキモチ in Blog


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